病院長あいさつ



循環器内科
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本超音波医学会認定超音波専門医

平井 寛則(ひらい ひろのり)

病院長 平成29年5月院長就任

(経歴)
昭和45年 東邦大学医学部卒
昭和46年 東邦大学医学部入局
昭和48年 東邦大学医学部第三内科助手
昭和56年 米国インディアナ大学留学
     (メデカルセンター客員講師)
     ファイゲンバウム・エコー研究室
昭和60年 東邦大学第三内科講師
平成3年  東邦大学医学部第三内科助教授
平成10年 東邦大学医学部第三内科教授
平成17年 医療法人 山内龍馬財団 山内病院院長
平成19年 医療法人 山内龍馬財団 山内病院理事長
平成29年5月 額田記念院長就任
       老健ぬかだ施設長就任


高齢者と医療

 約五十年、医療に携わってきました。大学で三十数年、教育、研究、臨床を、定年後は市中病院で十数年、主に循環器系疾患の臨床を行ってきました。これまで夢中で医療に従事してきましたが、この数年、しばしば“医療とは何か”について考えるときがあります。もちろん医療の本質は病める人を救うこと、病める苦しみからの解放ですが、市中の病院に勤務して現実の医療、特に高齢者に関わる医療は所謂ガイドライン(私はあまり信用してない)に基づく医療をすれば済むだけの簡単なものではないようです。
 この度、勤務することになった額田記念病院は医療療養型と介護療養型施設を併設した病院で、他に介護老人保健施設も開設しています。入職1ケ月余の当施設での印象は我が国の高齢化現象の医療の一端を見るような気がします。入院、入所の方はほとんどが高齢者です。当然のことですが看護師、介護士はもちろん当施設の職員は昼夜に亘り必死に世話をしています。肉親、家族でもできないようなケアを家族に代わって行っているのを毎日目のあたりにしています。これが仕事とはいえ介護という仕事は大変な精神的、身体的重労働です。
 4,5年前、某新聞社の”人生最期をどこで迎えたいか“の記事に、65歳以上の高齢者の約8割が”自宅で“とありました。しかし、現実は本人の望みとかけ離れた介護施設や病院で一生を終える方が8割です。この状況が各診療科を揃え先端医療機器を完備した大病院を除いた我が国市中病院の医療と介護現場の現実の姿のようです。
 現代社会の特徴とも云える人口の大都市集中化、逆に過疎のすすむ限界集落化、さらに社会の高齢化、単身高齢者の増加など複雑な社会構造の中での医療は病気が治れば良いだけのことではないようです。その個人的背景を考慮し退院後の日常をどう過ごすかまで考慮しなければならないのがいまの高齢者医療の特色であり、そのような面からも高齢者の日常を巡る問題は極めて深刻です。このことは医療や介護を施す側、受ける側両者の立場から考える必要があり、同時に高齢者介護は国の福祉政策としての重要課題だろうとおもいます。介護者、被介護者の両者がある程度満足できる政策を考え実行してもらいたいものです。
 以上が三十数年にわたる大学病院での医療を離れ、本院を含め十数年の市中病院の医療を経験しての印象の一部です。
当然のことですが私どもは受け入れた患者、入所者については責任をもって丁寧、適切な加療・介護に努めるように心がけています。
 医療者として私が五十年の経験から得た最も重要な教訓は、医療に関るすべての者は一定レベルの医学的知識や医療技術は必要ですが、それ以上に大切なのは“相手を思いやる心”を持つことです。医療関係者と患者という狭い関係ではなく、“命ある全てのものにたいする思いやり”です。端的に言えば“医療とは愛”だということです。 全人的医療などという訳のわからないものではありません。医療とは愛なのです。私は以上のような信念をもってこれまで医療を実践してきましたし、これからもそうするつもりです。微力でも額田記念病院、老健ぬかだに入院、入所している方々と両施設およびここで働く職員皆のために尽力邁進するつもりです。

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